キャリア教育

 

2015年3月21日(土)「スーパーアカデミア 最先端と最前線の超一級講座」は広尾学園が行ってきたキャリア教育の総決算となります。


この日は日本全国から、21世紀の最先端を究めようとする科学者、最前線で活躍するジャーナリストなど、日本の現在と未来を支える方々が広尾学園に結集します。


この20講座が、生徒たちの学問への憧憬の念を育て、文化や科学技術の高みをはるかに見上げる良い機会となることを願っています。


『スーパーコンピュータが拓く未来』 理化学研究所計算科学研究機構 庄司文由先生

スーパーコンピュータとは何か。どんなことに役立っているのか。「京(けい)」コンピュータはどのように開発されたのか。「京」はどんなこ とに使われて、どんな成果が期待されているのか。2011年の6月と11月に世界一の演算性能を達成したスーパーコンピュータ「京」。「京」はどの ような考え方に基づいて作られたのか、他のスーパーコンピュータとどこが違うのか等など、スーパーコンピュータと「京」にまつわる様々な 疑問に、わかりやすくお答えします。

『IT史から次世代のテクノロジーを考える』 modiphi社およびpopIn社アドバイザー 林 信行先生

スマートフォンやタブレット、ソーシャルメディアなど、今日、世界で数億人の人々が使っている最新テクノロジーの多くは皆さんが小学生に入学して以降に誕生しました。これは皆さんがこれから大学に行って社会に進出するまでには、今まだ誕生していないテクノロジーが普及している、ということでもあります。ITの世界の歴史を紐解くと、今日のパソコンの原型が登場した40年ほど前から、新テクノロジーの登場、発展、普及には共通するパターンがあります。この講座では、次の新しいテクノロジーが出てきても、技術そのものに振り回されないようにより長い時間軸とより広い視点を与えることを目指しています。

『人工太陽を創るための人類の挑戦 』 核融合科学研究所 中村幸男先生

宇宙に輝く星は何を燃やしてあの莫大なエネルギーを生み出しているのか。宇宙物理研究者は水素が核融合反応で燃えていることを突き止めた。この核融合を地上で実現しようとしているのが“核融合発電”(人工太陽)である。1億度という超高温プラズマを磁力線のカゴ(磁石の力)に よって閉じ込め、核融合反応によって出てくるエネルギーを外部に取り出し、電気に変えて100万キロワット級の発電所を作ろうという人類の挑戦である。この地上に創る人工太陽(核融合炉)の仕組みとその実現への道を紹介する。

『超伝導と磁石と超低温の世界』 NIMS超伝導材料センター 高野義彦先生

液体窒素によるマイナス約200度の超低温で起こる様々な現象を学習します。なかでも不思議な現象のひとつ超伝導について、電気伝導や磁気浮上の実験を交えながら、ゼロ抵抗やマイスナー効果を説明します。

『中高生にも判る素粒子物理学最前線』 KEK高エネルギー加速器研究機構 多田 将 先生

自然界の究極の仕組みを解明する学問である、素粒子物理学。その高度な内容のためか、はたまた身近で実用されているものがあまりないから か、専門家以外には、非常に敷居が高く、理解されにくい学問だとされいます。本講演では、素粒子のひとつであるニュートリノに関する、世界 最先端の実験について解説することにより、素粒子物理学とはどういう学問なのか、ということを感じ取って頂ければ、と思います。予備知識な しの方にでも理解し易いように、解説させて頂きます。

『宇宙への挑戦 ~宇宙の環境と宇宙飛行士のドラマ~』 日本宇宙フォーラム 渡辺勝巳先生

1961年4月12日、旧ソ連のガガーリンがボストーク宇宙船に乗って地球を1周、人類初の宇宙飛行を成功させてから、今年で54年。現在では、国際 宇宙ステーション(ISS)が運用されており、交代制で常時6名の宇宙飛行士がそこで暮らしながら、さまざまな実験や観測を行っています。そし て、そのISSでは日本人宇宙飛行士も活躍しています。ここでは、特殊な宇宙環境、国際宇宙ステーションと日本人宇宙飛行士の活動、さらに 危険な任務についている宇宙飛行士のドラマなどについてお話しします。

『地球に刻まれる縞々(しましま)のひみつ』 日本地球化学会 筑波大学 生命環境科学研究科 丸岡照幸先生

地球では年輪のような縞々の構造を見いだすことができます。年輪の濃淡は一年分の成長を記録し、一年は地球が太陽の周りを一周する期間に相 当します。このように規則正しく変化する現象は他にもあり、それを縞々として記録しているものがあります。例えば、地球の自転軸の傾きは一 定でなく、21.5°から24.5°の間を約4万年の周期で繰り返しています。自転軸の傾きは四季を生み出しますが、この傾きの変化は気候に影響を与 えます。このような気候変動を読み解く方法と解読した過去、それに基づく将来予測に関してお話します。

『気候変動の理屈と予測』 海洋研究開発機構(JAMSTEC) 建部 洋晶先生

ここ最近の異常気象との関連からもますますよく聞くようになった「地球温暖化」ですが、一方でこの現象についての誤解・曲解 (ついでに陰謀説!)も同時に増えてるように思います。本講座では、地球温暖化のメカニズム、スーパーコンピュータを用いた気候変動予測の実際、を分かりやすく解説する予定です。また、「1週間先の天気予報が当たらないのに100年先の気候が分かるんですか?」「ゼニになるんやろ?」など、 純朴な 少年少女から面倒なオッサンまで、多少なりとも疑問に思ったことのある話題についても触れる予定です。

『生きることを支える看護』 東京大学大学院医学系研究科  山本 則子先生

「看護師」はとても身近な職業だが、看護が実はどのような仕事かを知っている人は少ない。健康に不自由なく暮らせている人が世の中に多いと いうことだろう。しかし超高齢社会を迎えた今、看護という職業や看護学についてもう少し知ることを通して、看護師の支えとともに生活してい る人々の暮らしについて学ぶことも重要と思う。加齢や病気と戦い打ち勝つ方法を考えるよりも、変化する心身と折り合い最後の日まで幸せに生 きることを、看護は支えている。看護師の活動を紹介しつつ、病気とともに社会に暮らす人々の暮らしを考えたい。

『脳や情報処理を持たない細胞のインテリジェンスを数学から学ぼう』 明治大学先端数理科学 三村昌泰先生

生き物の持つ知能の中には我々の予想を超えたものが数多くある.ここでは特に,脳や情報処理を持たない細胞であっても,不思議なインテリジェンスを持っていることをモデルとその解析のための数学を駆使する現象数理学から紹介したい。 。

『エクセルで作る人生の縮図 』 学習院大学名誉教授 飯高 茂 先生

エクセルで乱数関数をいかに使うかを例示します 1) ドメレのサイコロの利用 2) 古代ギリシャの4個の骨を使ったくじ 3) フランスの王制時代のくじ 4) 人生縮図を見る

『グローバル経営コンサルティング企業でのデータサイエン ティストの役割』 KPMGコンサルティング 林泰弘先生

Googleやアマゾンをはじめとする企業が、データ分析を武器として新たなサービス、製品を生み出しています。日本においても、身近なところでデータを活用した 取り組みが見られるようになりました。グローバルに活動するコンサルタントの視点から、データサイエンティストの役割をご紹介します。

『地質学と3D造型 ―博物館・研究施設における、次世代可視化技術の活用―』  地質標本館 芝原 暁彦 先生

地質学とは、地下に存在する岩石や地層の立体的な広がりを調べる学問です。地層の中からは過去の生物の化石が見つかることがあり、これを調 べる事で地層が堆積した年代や堆積環境が推定できます。こうした数々の地質情報を三次元的に可視化する際に、3Dプリンタやプロジェクション マッピングなどに代表される、次世代の可視化技術が威力を発揮します。本講義ではこうした地質情報の可視化手法と、博物館における3D造型技 術の活用方法についてご紹介します。

『中国文明とエジプト文明』 中国古代史学者 学習院大学教授 鶴間 和幸先生

2014年の2回のエジプト調査の成果として中国古代史の立場から中国文明とエジプト文明を比較することができた。とくに両文明が生み出した古代 陵墓や両大河流域の歴史的環境の類似性を認めることができた。ナイル川(全長6695キロ)と黄河(全長5464キロ)・長江(全長6300キロ)の大河という自然環境で生まれたエジプト文明と中国文明の二つの古代文明を比較する。2000年に世界の四大文明展を開催し、中国文明展の監修を務めた。その時点でもエジプトと中国文明の近さを感じていたが、今回は実地調査から明らかにする。

『ホンマでっか!?な素敵な体験・悲しい体験☆現場最前線トーク! 』オリーブ動物病院副院長三村貴大先生

獣医師と聞いてどんなイメージを持ちますか?実は様々な分野で活躍する獣医師。キャリア官僚(国家1種合格者)の仕事なども紹介します。そ の中でも小動物(犬・猫・フェレット・ウサギ)臨床獣医師とはどんな仕事なのか。日々どんな問題に直面し何を感じているのか、医師との明確 な違い、収入はどれくらい?テレビなどでは言えないアンビリーバボーな話や「アウトな獣医師」を紹介し、さらに専門的な手術の動画などをま じえ現場から鮮度抜群でお伝えします。”夜更かし気味でも眠くならない講義”を目指し、皆さんと一緒に楽しく「動物の命」、「獣医に向いて る人向いてない人」などを考えてみましょう。

『植物を食べる昆虫、その進化の不思議を探る 』 東京大学教養学部附属教養教育高度化機構 加藤 俊英先生

カイコガやトノサマバッタのように植物をエサとして食べる昆虫は極めて種数が多く、これまで見つかった陸上生物の4分の1は植物を食べる昆虫 だと考えられています。植物を食べる昆虫は何故種数が多いのでしょうか? また、クワの葉しか食べないカイコガのように、植物を食べる昆虫の多くは決まった種の植物しか食べません。それは何故でしょうか? 実は、この2つの疑問は密接に関係しています。講座では植物を食べる昆虫とその進化についてお話しします。

『樹木の医薬効果 -樹木の香りを楽しむ-』 東京農業大学造林学研究室 上原 巌 先生

私の身のまわりにある樹木は、環境保全、空気清浄、景観の美化だけでなく、実は大切な医薬効果や保健休養としての効果も持っています。「生 薬(しょうやく)」や「アロマセラピー」という言葉を聞いたことがある人もいることでしょう。この講座では、身近な樹木の持つ様々な効果に ついて学び、簡単な実験で、いくつかの樹木の香りを抽出し、その香りを楽しんでいただきます。

『錯視の脳科学』 自然科学研究機構 生理学研究所 柿木隆介先生

最近の脳科学番組では、錯視がよく紹介されます。僕たちが錯視をしてしまう理由は2つ。1つは周囲のもの。つまり、色とか線とか点といった要素によって、大きな影響を受けているのです。単純に言えば、同じ顔の人でも、色白の人の中に混じっていると色が黒く見えますし、逆に色黒の人の中に混じっていれば色白に見えます。そしてもう1つの理由は、「当然そこにあるべき」あるいは「そこにあるはずがない」という思い込みです。錯覚を起こす「周囲による影響」と「思い込み」。これは、人生にも当てはまりそうですね。講義では、様々な錯視画像を御紹介して、解説をしたいと思います。また、時間があれば、「逆さめがね」や「左右反転めがね」を実際にかけてもらって、その不思議さを体験してもらおうと思います。

『統計の役割とその力』 立教大学経営学部経営学科 山口 和範先生

身近な日頃の生活から国の意思決定など、広範囲で統計が活用されてきた。近年ICT技術の進展とともにビッグデータ時代が到来し、統計が注目されている。講座では、様々な場面における統計の役割について活用事例を紹介しながら解説する。具体的には、スポーツにおけるデータ活用の事例、国が作成している統計から読み取ることができる消費者行動とマーケティングなどを紹介します。また、今後の発展可能性についても言及し、データ活用の未来についても触れる。

『異文化コミュニケーション-自分探しの旅へのパスポ-ト』 東京外大大学院総合国際学研究院 岡田昭人先生

本授業では「異文化コミュニケーション」の諸理論を、実例やケーススタディーを通じて理解することを目的としております。人は異なる文化を持つ国で生活をするとき、どのような心理的な適応をするのでしょうか。また人々は言語や非言語のカルチャーショックを受けるのでしょうか、そしてどのようにコミュニケーションをする上で、どのような文化の違いの「罠」におちるのでしょうか。本講義は、パワーポイントを用いたレクチャーと聴講する皆さんとのディスカッションなどを通じて、様々な問題を分かり易く解説します。

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