キャリア教育

 

2013年3月20日(水)「スーパーアカデミア 最先端と最前線の超一級講座」は広尾学園が行ってきたキャリア教育の総決算となります。


この日は日本全国から、21世紀の最先端を究めようとする科学者、最前線で活躍するジャーナリスト、被災地で復興に取り組む第1回東北みらい賞受賞者やコミュニケーションを究める第一線の研究者など、日本の現在と未来を支える方々が広尾学園に結集します。


この20講座が、生徒たちの学問への憧憬の念を育て、文化や科学技術の高みをはるかに見上げる良い機会となることを願っています。


2011年度の講座内容はこちらからどうぞ。

『ロボット技術と未来社会』 千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター 古田貴之先生

本講義では、ロボットの仕組みを、例を用いてわかりやすく解説します。ロボットは、センサ、モータ等のアクチュエーターおよびコンピュータ・電子システムの統合機械です。ゆえに関連技術は、人工知能、運動制御、認知手法など多岐に及びます。本講義では「ロボット教習所」をキャッチフレーズに、時には実際のロボットの分解を通じ、また時には図解しながら、前述の構成要素・技術を解説します。いわゆる「座学」だけでは得られない実践的知識の教授を達成するのが狙いです

『デジタル産業革命のはじまり』 modiphi社およびpopIn社アドバイザー 林 信行先生

iPhone以降のスマートフォンやタブレットはビジネス、医療、教育、スポーツなど幅広い分野に革命をもたらしました。それらの機器で使われるTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアは革命の影響力をさらに加速させました。一方、最近、注目を集めている3Dプリンターも物の作り方や医療のあり方を根本から変える可能性を秘めています。これらの掛け合わせが、これまで想像もつかなかった新しい社会を形成しつつあります。今、我々はまさにデジタル産業革命の入り口にいるのです。講座ではこの革命の規模の大きさや多様さを紹介し、この時代をどう生きるべきか討論したいと思います。

『スーパーコンピュータが拓く未来』 理化学研究所 計算科学研究機構 庄司文由先生

スーパーコンピュータとは何か。どんなことに役立っているのか。「京(けい)」コンピュータはどのように開発されたのか。「京」はどんなことに使われて、どんな成果が期待されているのか。2011年の6月と11月に世界一の演算性能を達成したスーパーコンピュータ「京」。「京」はどのような考え方に基づいて作られたのか、他のスーパーコンピュータとどこが違うのか、等など、スーパーコンピュータと「京」にまつわる様々な疑問に、わかりやすくお答えします。

『ジャーナリズムの社会的役割について』 サイエンス映像学会理事/朝日新聞社 徳山 喜雄 先生

新聞、放送などでニュースを報じたり、そのニュースを解説したりします。これらは誰に向けて、どのような目的でやっているのでしょうか。また、ニュースを報じる際にルールはあるのでしょうか。最近ではアルジェリアで人質襲撃事件があり、10人もの日本人が殺害されました。当初は匿名で報じられていましたが、やがて実名報道に変わりました。たとえば、これはどのような考え方(ルール)で行われているのでしょうか。歴史を記録した報道写真なども見ながら、ジャーナリズムあるいは報道することの意味を考えます。

『暗がりの海底温泉をご満喫!地球を美味しく食す生物たち』海洋研究開発機構 山本正浩先生

超高温の熱水が噴き出す深海底の温泉。大量の硫化水素が立ち籠めるその場所では、まるでモンスターのような奇妙な生物たちがうごめきながら棲息しています。日光の届かない暗黒世界の住人である彼らは、光合成を起点とした生態系で生きる私たちとは異なった方法で生体エネルギーを獲得しています。その驚きの生命システムを、深海研究の現場の様子を交えながら紹介いたします。その中には宇宙人の探し方や、生命誕生の謎の解明につながるヒントが含まれているかも知れませんよ。

『素粒子論的宇宙論への誘い:暗黒物質』 東京大学 宇宙線研究所 伊藤英男先生

貴方は宇宙の内容物についてどれだけの知識がありますか?恒星や銀河はもちろん、ブラックホールや中性子星、そして地球のような惑星、彗星や小惑星、はたまた星間ガスなどと答えるかもしれません。それら全ては我々人類が実験によって生み出すことが出来る既知の物質で形成されています。ところが近年、様々な観測から既知の物質というのは宇宙の内容物のたった4%に過ぎないことが分かってきました。残りの76%とは一体何なのでしょうか?本講座では、その中の約20%を占める暗黒物質と呼ばれる未知の物質について動画等を用いて簡単に説明します。そしてその基礎となる素粒子物理学についても紹介します。

『逆境に立ち向かう~震災からの復興に自然と歴史と文化を~』岩手県大槌町教育委員会 佐々木 健先生

岩手県大槌町。先の東日本大震災で壊滅的な被害を受けたが、人々は復興に向け力強く立ち上がっている。 震災復興基本方針には、四つの柱が示されている。1)多重化した防災機能を持つ災害に強いまちづくり、2)被災した住民生活の再建、3)地域経済の振興、4)町民による町民のためのまちづくり。そして、そこに示された将来の大槌は、14.5メートルの防潮堤の中にあった。  町があるべき姿を謳った「町民憲章」には、自然を愛すること、さらには郷土文化育成を奨励しているのに、である。

『はやぶさを継ぐもの』 NEC航空宇宙システム(チーム「はやぶさ」) 小笠原雅弘先生

2010年、全国民の注視の中「はやぶさ」は人類初の惑星往復飛行に成功、貴重なイトカワのサンプルを持ち帰った。宇宙への挑戦は続く、2014年打ち上げで未知の小惑星を目指す「はやぶさ2」計画がスタート。2015年には、灼熱の惑星、水星に向けて、ヨーロッパと共同で「MMO」を打ち上げる。「はやぶさ」を継ぐものたちが太陽系を大航海する時代が来た。私たちの歩みは止まらない。「はやぶさ」を金字塔にしてはならない。

『この問題が解けたら!100万ドルの賞金がかけられた数学の問題とは』 環境コンサルタント 中村 亨先生

数学の研究の最前線では、日夜、数え切れない問題が生まれ、そしてその解決に多くの努力が注がれています。なかでも、解決されることそれ自体に大きな意味があるだけでなく、解決に向けた取り組みの中から数学の新しい世界が開かれることが期待されていながら、たくさんの人の長年の挑戦をはねつけ続けている問題の解決は、特に待ち望まれています。21世紀を迎えるにあたって、そのような7問に、1問あたり100万ドルの懸賞金がかけられました。どのような問題なのか、解決に何が期待されているのかを紹介します。

『科学的マネジメントのための統計思考力』 慶応義塾大学健康マネジメント研究科 渡辺 美智子先生

ロンドンオリンピック女子バレーで28年ぶりのメダル獲得で、 体格で世界に劣るチームに貢献したのが相手のクセや傾向を見抜くデータ分析のスキルです。監督や選手がi-padを持って議論する姿がテレビでも放映されたので、覚えている人もいるのではないでしょうか。 高度情報化社会、知識基盤社会と言われる21世紀では、スポーツの世界に限らず社会のあらゆる分野で、 身近な問題、地球規模の問題をデータに基づいて判断し自らの意思決定(アクション)に繋げる方式が21世紀型スキルとして認められています。そのため、「資料の活用」や「データの分析」の教育は、世界の学校教育で大きな比重を占めています。 本講座では、「資料の活用」や「データの分析」の学習内容を中心に、基本的な統計グラフ(層別ヒストグラム、散布図など)がどう問題解決に役立てられているのかをスポーツの易しい事例を中心に紹介していきます。

『巨大隕石が落ちると何が起きるのか』 日本地球化学会 筑波大学 生命環境科学研究科 丸岡照幸先生

2013年2月15日、ロシア・チェリャビンスク州に隕石が落下しました。今回の隕石はもともとの大きさは十数メートル程度と推定されていますが、これまでにも大小様々な物質が宇宙から飛来しています。そのほとんどは大気との摩擦で蒸発してなくなってしまいますが、今回のようにときどき大きなものがあり、燃え尽きずに地表へ到達します。今回の隕石よりもさらに大きなものだと、その落下の衝撃によりクレーターという円形の凹地ができ、地形や環境を変えてしまうことがあります。世界最大級のチチュルブ・クレータを紹介し、それができたときに何がおきたのかについてお話したいと思います。

人類の宇宙への進出~国際宇宙ステーション計画~ 宇宙航空研究開発機構  渡辺勝巳先生

1957年10月4日、旧ソ連は人類初の人工衛星「スプートニク1号」を打上げました。第二次世界大戦後の米国・旧ソ連の冷戦を背景にした国家威信をかけた激しい宇宙開発競争の幕が切って落とされたのです。その後、競争は人間衛星の打ち上げ、人間の月面着陸競争へと進んでいきました。そして1969年7月、米国のアポロ11号の成功により激しかった競争も終わり、宇宙開発は徐々に協力して推進していくこととなります。ここでは、人類の宇宙への進出の歩みと、現在の国際宇宙ステーション計画について考えて見ましょう。

『脳は不思議がいっぱい!!』 自然科学研究機構 生理学研究所 柿木隆介先生

ほんの15年程前までは、人間の脳の働きを知るためには心理学的検査と脳波しか方法がありませんでした。動物と違い、人間の脳を検査するためには、けっして傷つけてはいけないからです。しかし、近年の急速な科学技術の進歩により新しい検査方法が次々に開発され、人間の脳の活動(機能)がかなり詳細に分かるようになってきました。今回の講演では、脳波を使った嘘発見器の御紹介、脳の可塑性(機能の柔らかさ)、顔認知研究、痛みと痒みの研究、などについて、最新の研究をわかりやすく御紹介したいと思っています。

『地球規模の創薬:寄生虫からがんまで』 東京大学大学院生物医化学 北 潔先生

創薬に関わる人々は「夢追い人」です。この世に人類が生き続ける限り、疾病は無くなりません。そしてその治療に必要な薬剤は私達が自然から見出し、またみずから合成してきたものです。21世紀に入り、世界はますます複雑になり、創薬の対象となる疾病もこれまでの感染症やがんなどに加え、生活習慣病、神経や精神疾患など多岐にわたってきています。このような状況は創薬に携わる研究者にとって真の腕の見せ所であり、また生き甲斐でもあります。グローバルな視点から、今後の創薬について考えてみたいと思います。

『未来のエネルギー源“核融合”』 核融合科学研究所 中村幸男先生

東日本大震災以降、世界規模で人類のエネルギー問題が叫ばれている。それを解決するための最先端科学である核融合研究について紹介したい。莫大なエネルギーを生み出す核融合炉は化石燃料に頼らず、炭酸ガスを放出しない地球環境に優しい未来のエネルギー源として注目されている。その核融合炉を実現するためには、我々の銀河系にも存在しない超高温のプラズマを限られた空間に定常的に閉じ込めて維持しなければならない。地上に創る人工太陽(核融合炉)の仕組みとその実現への道を紹介する。

 

『ダイヤモンドの科学:宝石から超伝導まで』 物質・材料研究機構超伝導材料センター 高野義彦先生

宝石の王様として知られる、あの透明で綺麗なダイヤモンド。実は、黄色やブルーのダイヤモンドもごく希に産出します。そして、真っ黒なダイヤモンドの中には、金属のように電気が流れ、低温で電気抵抗が完全にゼロになる超伝導を示すものまであります。ダイヤモンドの科学を宝石から半導体、超伝導にわたりお話しします。

『超ミクロの世界の素粒子たち』 KEK高エネルギー加速器研究機構  吉見弘道先生

高エネルギー加速器研究機構(略称KEK)は物質の基本構成要素である素粒子の研究を行っています。加速器を使って超ミクロの空間に宇宙誕生のときの超高温状態をつくり、そこから発生する素粒子たちを調べます。そのためには加速器と検出器を組み合わせた大規模な実験装置が必要です。どのような実験装置で素粒子を研究するのか、そして素粒子たちはどんなものかお話します。

『微小重力場での燃焼は予測できるか?』明治大学先端数理科学インスティチュート所長 三村昌泰先生

国際宇宙ステーションなど、宇宙での生活が当たり前になる中、火災は大きな関心事です。微少重力空間では気体の対流が起きにくく、燃焼は地上と違って不規則に広がるため、予測や制御するのが困難です。実験しようにも、宇宙に行くにはお金がかかり過ぎます。無重力状態を作ることができる落下塔を使えば安上がりですが、無重力状態の持続が短く実験が難しいのが現状です。この問題に対処するため、「数学モデル」を導きだし、どのように燃焼が起こるかを数理から解明する試みが行われています。 その一端を皆さんに紹介したいと思います。

『What’s communication?』 実践コミュニケーショントレーナー 西田 弘次

人類が生存する限りコミュニケーションは欠かすことができない。そう、コミュニケーションは人類の永遠のテーマ。では、どうしたら人は人と気持ちの好いコミュニケーションが取れるのだろう? 人と上手にコミュニケーションを図れる人の特徴ってあるの? 逆にコミュニケーションが苦手という人の共通点は?  本講座では、この人類の永遠のテーマを、「対人コミュニケーション学」という立場から探ってみることにします。45分間、身体と心をフルに使って体感してもらいます!

『異文化コミュニケーション-自分探しの旅へのパスポ-ト-』東京外国語大学 岡田 昭人先生

本授業では「異文化コミュニケーション」の諸理論を、実例やケーススタディーを通じて理解することを目的としております。人は異なる文化を持つ国で生活をするとき、どのような心理的な適応をするのでしょうか。また人々は言語や非言語のカルチャーショックを受けるのでしょうか、そしてどのようにコミュニケーションをする上で、どのような文化の違いの「罠」におちるのでしょうか。本講義は、パワーポイントを用いたレクチャーと聴講する皆さんとのディスカッションなどを通じて、様々な問題を分かり易く解説します。

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