キャリア教育

 

2026年3月14日(土)「スーパーアカデミア 最先端と最前線の超一級講座」は広尾学園が行ってきたキャリア教育の総決算となります。


この日は日本全国から、21世紀の最先端を究めようとする科学者、最前線で活躍するジャーナリストなど、日本の現在と未来を支える方々が広尾学園に結集します。


この36講座が、生徒たちの学問への憧憬の念を育て、文化や科学技術の高みをはるかに見上げる良い機会となることを願っています。


『海洋底から探る地球内部の未踏領域』
国立研究開発法人 海洋研究開発機構 主任研究員 阿部 なつ江先生

地球表面を覆う十数枚のプレートは、マントルの対流によって生成・移動・消滅を繰り返し、地震や火山活動、造山運動などの自然現象を引き起こします。このプレートの動き(プレートテクトニクス)は、生命が存在する水惑星「地球」だけに見られる特徴ですが、マントル対流の粘性や正確な温度、対流速度などの重要な要素は未解明です。私たちの住む星「地球」の成り立ちや生命の起源、さらに地球が将来どのような姿になるのかを明らかにするため、海底調査や海洋掘削といった方法で地球内部のマントルを詳しく調べる研究が進められています。

『どこまでも割るぞ』 学習院大学 名誉教授 飯高 茂先生

1/7=0.142857142857142857…は142857 が繰り返されるので 142857 を循環節といいます.2分割すると 142 | 857 となりこれを数として足します. この値を2分割和といいます.3分割すると 14 | 28 | 57 となりこれを数として足した値を3分割和といいます. 素数 p≠2,5に対し1/p の循環節を求め分割和を求めてみましょう。 また、循環節の長さがp-1 となる素数はどれくらいあるでしょうか.Gauss は1000までの素数について調べそのような素数は無限にあると予想しましたが,,未解決です.

『芸術家として生きるって何?感性を尊び今を生きる』
美術家 イイノナホ先生

芸術家とは何者でしょうか。それは職業でしょうか。それとも、特別な才能を持った人のことなのでしょうか。私たちはつい、見た目や評価といった外側の価値観に目を向けてしまいます。しかし本当に大切なのは、自分の内側にある小さな眩い光のような美しい感覚です。物を作ることは、絵や彫刻に限らず、日々の選択や人との関わりの中にもあります。この講義では、私自身の経験を通して、感性を信じて生きることの意味を考えます。

『AI×伝統文化×街づくりの共創をプロデュースせよ!〜大企業・起業家・自治体と中高生が挑む、未来の観光まちづくり〜』 Proof of Japan 代表取締役CEO 兼 麻布台商店街会長 兼
地域共創団体「Earth Wonders」代表理事 伊澤 諒太先生

日本最大級の AI × 伝統文化 × 街づくり を手掛ける大企業と起業家が登壇! 世界中の人を惹きつける『未来の観光まちづくり』のお話と、実際に中高生も実現できる共創プロジェクトの起こし方まで語る特別講義。当日は、講師と連携して実際に街づくりをしている大企業・自治体の担当者たちも応援に駆けつけます。机上の空論ではない、社会を変える「本気の共創」の熱量に触れる入口となるセッション。伝統と革新が織りなす次の時代を生きる力を身につけて、「未来を切り拓く」第一歩を、ここから始めよう。

『オリジナル結婚式を創る ~ユニークベニューウェディング~』 株式会社Ginger 代表 磯石 裕子先生

私たちは京都を拠点にウェディングサービスを手がけるベンチャー企業です。今回はウェディングプランナーを目指したキッカケ、プランナーの仕事内容、会社員から起業して社長になるまでの道のり、婚礼業界のこれまでと今、オリジナルウェディングを通して叶えたいこと、これから目指す株式会社Gingerの姿をお話しします。

『「公認会計士」という選択』
パーソルホールディングス株式会社 グループ財務本部 連結経理部部長 公認会計士  上野 安貴先生

みなさん、「公認会計士」という資格をご存じですか? 公認会計士は、医師や弁護士と並ぶ日本の三大国家資格のひとつで、多くの企業や社会で活躍する専門職です。株式市場の番人とも呼ばれる公認会計士ですが、その将来は一つではありません。公認会計士としてのお仕事だけでなく、会社経営者やコンサルタント、海外で働いたり、独立したり、自分の力で新しい分野に挑戦したり、様々な世界で活躍することが可能で、将来の選択肢が広いのが魅力の一つです。そんな公認会計士の世界をご紹介します!

『宇宙建築技術が開く未来と、イノベーション人材となるために大切なこと』
株式会社Space Quariers 代表取締役CEO 兼 チーフエンジニア 大西 正悟先生

Space Quartersが取り組む宇宙空間/月面上での建築技術開発の概要を説明し、それによって作られる革新的宇宙インフラとそれによって世界がどう変わるのかを紹介します。 そのうえで、この宇宙建築という分野で世界に先駆け起業し、CEO兼CTOとして事業と開発の両方を主導する大西が、如何にして日本で唯一無二の形態の企業を作る人物になったのかをその人生を振り返り、その中での学びや哲学、そして思いを次世代を担う方に共有できればと思います。

『渋谷から始める都市農業が変える人と社会の暮らしと未来』
渋谷の農家 渋谷区ふれあい植物センター園長 小倉 崇先生

渋谷・道玄坂にライブハウスを作ってから8年。現在は、約850名の市民メンバーが参加するNPO団体の代表と、一昨年の夏にリニューアルオープンした「渋谷区ふれあい植物センター」の園長、さらに、恵比寿の農園ハウスDEトマトを栽培もつとめています。渋谷という都会の象徴のような場所で、農業をすることにどんな価値があると思いますか。都市農業は、食育や食料の自給、co2削減など環境課題の解決、さらには心身のヘルスケアにも有効です。これからの社会を担うみなさんに、そんな都市農業の魅力と価値と可能性についてお話ししたいと思います。

『バーチャルな自分を見つける脳』
産業技術総合研究所 人間情報インタラクション研究部門 主任研究員 金山 範明先生

近年バーチャルリアリティなどにより、“現実ではないものをあたかも現実であるように認識する”という体験が一般的になっています。この講座では「幽体離脱」やバーチャルリアリティ上での「自分に関する錯覚」と、それを支える脳のはたらきを紹介し、いかに現実や自分という認識さえ変化するものなのかということを理解します。また自分とは何か、現実とは何かという哲学的な問いを、ニューロサイエンスで理解する方法の是非を紹介し、みなさんと一緒に今後の社会の在り方を考えでみましょう。

『ZERO to ONE — 世界を創るスタートアップとベンチャーキャピタル —』
ベンチャーキャピタリスト 川田 一聖先生

Google、iPhone、YouTube、Netflix、Instagram、TikTok、そしてChatGPTなどの急速に進化するAIツール。これらは全て、無謀と言われた小さな挑戦「スタートアップ」から始まりました。そして、その価値をいち早く見抜き、資金と戦略で世界を変える規模へ成長支援するのが「ベンチャーキャピタル」です。本講義では現役のベンチャーキャピタリストが、現在進行形で起こっている世界の変革、超リアルなスタートアップとベンチャーキャピタルの世界をお伝えします。未来は予測するものではなく、皆さんが当事者として創るものです。”ZERO to ONE”を共に学びましょう!

『東大進学のその先へ〜妊娠・出産も、起業も含めて「自分の人生が楽しくなる」進路・キャリア選択〜』
公益財団法人 山田進太郎D&I財団 Girls Meet STEM事業責任者 榊原 華帆先生

キャリアや大学選びに、女性だから・男性だからという違いはありません。大切なのは「自分の人生が楽しくなる選択」をすることです。私は東京大学工学部に進学後、商社で働いたのち、起業した会社で宇宙事業やカフェ事業の立ち上げに挑戦し、失敗も経験しました。その後、会社員として働きながら事業を続け、NPOを起業し、出産を経た今も新たな挑戦をしています。本講義では、進路やキャリアは一直線ではなく何度でも選び直せること、複数の仕事を組み合わせた働き方ができること、自分のやりたいことを実現するための学歴の活かし方、妊娠・出産があっても起業や挑戦を続けられる理由を、実体験をもとにお話します。

『ゴムは何故あんなに伸び縮みするのだろう? ~物質の性質は構造が決めている~』
NOK株式会社 常務執行役員 CTO 兼 Head of NOK R&D 佐藤 祐樹先生

理系の大学院を修了し,ゴム機能製品会社に入社してから30年以上,その研究開発に従事してきましたが,未だに,科学や技術に関する極めて基本的な事柄に関する学びがあります.そのいくつかをできるだけ分かりやすくご紹介します.今のところ予定している学びは以下です.結局,物質の様々な性質は,その物質がどのような構造で構成されているかで説明されるということ,その科学の面白さを日々実感しています,
・ 摩擦力は荷重に比例するけど,みかけの接触面積に比例しない?
・ ゴムは固体?(ガラスは凍った液体?)
・ そもそも固体・液体・気体という分け方はできない,秩序と無秩序の2つだけ?

『カオスってなに?』
産業技術研究所 情報・人間工学領域 人間情報インタラクション研究部門 脳数理研究グループ
城 真範先生

なぜ混ぜたら混ざるのでしょう?「僕は嘘つき」という人は嘘つきでしょうか?面白いゲームてなに?人類の科学はどこまでも世界の真実を明らかにできるのでしょう? ぜんぜん違うジャンルの話が一つにつながります。それがカオス。なんとなくグチャっとしたイメージがありますが、科学としてのカオスには「規則がある」のです。簡単な計算で予測のできない数値の列が生まれます。カオス、それは科学全体の底にあるメタ科学の一つです。最高に難しいカオスを最高に簡単に入門します。

『リニューアルされた恐竜博物館にバーチャル潜入しよう!』
地球科学可視化技術研究所(所長)恐竜技術研究ラボ (CTO) 芝原 暁彦先生

福井県の恐竜博物館は2023年にリニューアルオープンし、現在も新しい展示や特別展がどんどん行われています。さらに2025年には「恐竜学部」もスタートしました。博物館で行われている最新研究をご紹介したいと思います。

『起業家という人生 〜起業、M&A、投資家へ〜』
起業家/エンジェル投資家 島田 大介先生

大学卒業後、総合商社に入社し、そのまま商社マンとして社会人を全うしようとしておりましたが、様々な経験や出会いを通じ2003年にITスタートアップを創業。その後、2023年に創業した会社の売却を経て、現在はエンジェル投資家としてスタートアップを支援する活動をしております。会社員から起業家への転身、困難の数々、M&A、その人生の岐路で感じたこと、大切にしてきたことをお伝えできればと思います。AI時代、産業革命ともいうべきこのタイミングで未来を見据える皆さんにとって人生を考えるきっかけになれば幸いです。

『宇宙開発のいまを知り、これからの宇宙活用を考える』
株式会社ラグラポ 代表取締役社長 兼 CEO 高野 宗之先生

人工衛星やロケットは、特別な研究者だけのものではなく、社会を支える重要な技術として身近な存在になりつつあります。2024年12月には、広尾学園で進められてきた人工衛星がロケットによって打上げられ、宇宙開発に挑戦しました(2026年2月再挑戦予定)。本講座では、H-IIAロケットや国際宇宙ステーション補給機「こうのとり」の開発に携わってきた経験をもとに、人工衛星がどのようにつくられ、打上げられるのかをわかりやすく紹介します。あわせて、将来の宇宙活用が社会や私たちの暮らしにどのような可能性をもたらすのかに触れ、皆さんが未来や進路を考えるための視点を提供します。

『超伝導と低温の世界』
国立研究開発法人 物質材料研究機構(NIMS) 高野 義彦先生

超伝導の特徴の一つにゼロ抵抗状態があります。ゼロ抵抗状態になると電流を流しても一切発熱が起こらないため、超伝導の電線をぐるぐる巻くと強力な電磁石が出来ます。さらに、送電に超伝導電線を用いると、電気のエネルギーをロス無く遠方へ輸送することも出来ます。また、超伝導体は磁石の上で浮上する現象があります。浮上すると摩擦が無いので、スムースに走ることも出来ます。講演では、実際に実験して触りながら超伝導の面白さを体感してもらいます。

『地球の歴史を読み解く研究活動』
名古屋大学 准教授 高橋 聡先生

名古屋大学の環境学研究科というところで活動しています。私が研究している“環境学”は、はるか昔2億5千万年前の地球の環境です。当時どのような環境下でどのような生物がいたのか、国内外を巡り情報を得ているようすを紹介します。

『福祉×農業。地域や日本を良くするための私たち挑戦』 どろんこ会グループ/株式会社ゴーエスト/株式会社南魚沼生産組合/株式会社Doronko Agri代表取締役 高堀 雄一郎先生

大学時代は学習塾を立ち上げ、不登校や障害児の学習を支援。結婚後は、自身が子育てする中で古い体質の保育業界の問題や女性が結婚を機に会社を辞めてしまう社会課題を知り、日本を変えていかねばと大手企業を辞め、「にんげん力。育てます。」を理念に保育園を立ち上げました。1998年の創業以来、全国展開してきた保育事業、障害の有無関係なく全ての子どもが共に育つインクルーシブ保育や農業問題への取り組みなど、「アントレプレナーシップ(起業家精神)」で社会課題をどう解決しているか、今後の進路の参考にもなることをお話します。

『フリーランスで書いて生きていく』 ジャーナリスト・ライター 田中 圭太郎先生

中高生の皆さんが将来文章を書く仕事に就きたいと思っても、どのようにして収入を得るのか、毎日どれだけの原稿を書くのかなど、なかなかイメージができないかもしれません。さらに、本屋が減少し、雑誌は廃刊や休刊が増え、インターネット上には生成AIによる文章が氾濫するなど、ここ数年環境が劇的に変化しています。私は放送局に19年勤務したのちに、フリーランスのジャーナリスト・ライターとして丸10年活動しています。文章を書いて生きていくために必要なことを、皆さんと一緒に考えたいと思います。

『政治家のコスパは?政治とカネのリアル・港区議会議員の報酬や選挙費用を大公開!』 港区議会議員 玉木 まこと先生

日本では政治とお金の話が度々報道され、「政治家=お金に汚い」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?私も政治家の端くれですが、暮らしに一番近い地方自治体議員として働いています。私の事例を元に港区議会議員の報酬や選挙費用など、政治とカネのリアルをお話しします。そして、私が区議会議員を目指した動機や普段の議員の仕事、最近話題の外国人政策の港区での動向なども紹介しますので、皆さんの主権者としての意識や将来の行動、政治家のコスパを考えてもらえたら嬉しいです。

『宇宙考古学への招待②2026~始皇帝の遺跡~』
学習院大学名誉教授 鶴間 和幸先生

中国を最初に統一した始皇帝の時代の遺跡を宇宙から見てみたい。万里の長城、始皇帝陵、始皇帝採薬使節刻石など、文献史料・考古資料・出土竹簡史料とあわせて発見された成果を紹介する。従来、漢代の司馬遷が編纂した『史記』が始皇帝の時代の基本資料であったが、かならずしも史実を反映したものではないことがわかってきた。中国でもリモートセンシング(航空写真や地上からのレーダー、音波、磁気の測定)を活用した始皇帝陵の研究は行われたが、衛星画像を用いた宇宙からの考古学研究はまだ行われていない。

『宇宙考古学への招待①2026』 東海大学情報技術センター 惠多谷 雅弘先生

エジプトを対象とした遺跡探査に衛星データを活用し、王朝時代のナイル川と遺跡の立地境を理解することで、エジプト学史上初めてとなる王朝時代遺跡の発見と発掘に成功した。この発見で培った多くの知見は、その後の古代中国の研究や、ベトナム、サウジアラビアの遺跡探査でも応用され、多くの成果をあげている。本講義では、「宇宙考古学」と呼ばれる新たな遺跡調査手法について、最新の調査事例をまじえて分かりやすく紹介する。

『映像づくりの楽しさ』 演出・映像ディレクター 野上 ナオト先生

世界中でテレビ離れと言われる近年、その原因はライフスタイルの変化やネット動画の台頭など様々です。スマホ1つで手軽に映像が自作できると言う魅力的な時代の一方で注意すべき点も沢山あります。TV番組やCM、MVの監督として常に意識し、心掛けてきた事、それは「視聴者目線に立つ」という視点。普段見ている視点を少し変える事によって新しい表現やアイデアが生まれる可能性もあります。
映像の作り方とその楽しさを皆さんにお伝えしたいと思います。

『AI最新動向と技術革新に振り回されないために重要な価値 』 ITジャーナリスト 林 信行先生

2026年はフィジカルAIの年と言われています。昨年のスーパーアカデミアではAIエージェントの話を行いましたが、その多くは年末にかけて現実のものとなりました。同様に、2026年後半にかけてAIは「考える存在」から「動き、触れ、現実世界に介入する存在」へと進み、このテーマは急速に注目を集めると考えられます。本講義ではAIの最新動向を整理する一方で、止まることのない技術革新に振り回されず判断するために不可欠な価値の軸についてお話しします。

『Soup Stock Tokyo は、どうして人気が出たの?-ブランドを作るために大切な事-』
島根県立大学地域政策学部地域づくりコース准教授/雨上(株)代表取締役 平井 俊旭先生

Soup Stock Tokyo というスープの専門店は、最初は、なかなか魅力を理解してもらえず会社は倒産しそうでした。そんな創業期から運営会社のSmilesのブランドディレクターとしてブランドづくりに携わって来た経験をお話しながら、新規事業を立ち上げる事の難しさや楽しさを知ってもらいたいと思います。今は大学教員として大学生に授業をしながら、地域を元気づける事の出来る学生を育成しつつ、自分の雨上(アメアガル)株式會社で民間企業のブランドづくりを行っています。

『仏像の造り方と修復』 彫刻家・修復家/合同会社 藤白彫刻研究所代表 藤曲 隆哉先生

皆さんが知っている彫刻家はどんな人でしょうか?ミケランジェロや運慶という人の名前は聞いたことがあるかもしれません。彼ら彫刻家と呼ばれる人たちは、宗教空間の中で祈りの対象となる彫刻を造るのが主な仕事でした。それは現代では、文化財と呼ばれ今も寺院の中で彫刻として祀られ、また博物館や美術館に展示されています。日本では飛鳥時代から仏教美術を背景として仏像がたくさん造られました。今回はその仏像がどのような背景で造られたのか、また何の素材でどのようにして造られているのか詳しく解説します。また、仏像の修復についても知ることで、どのようにして私たちの時代に伝えられてるのかを皆さんで考えてみましょう。

『アーティストの仕事、アートマネジメントの仕事』
荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所/Reversible Destiny Foundationディレクター 本間 桃世先生

アーティストというとみなさんはどんな人を思い浮かべますか?人類の歴史に「美」という概念が生まれたのは日本では縄文時代に遡ります。それから何万年もの間、私たちは文明を築いて来た反面、戦争や紛争は今日もまだ世界中で続いています。自然災害や争いを前にして、芸術は不要不急なのでしょうか?アートに出来ることとは?そしてそれをマネジメントするとは?この講座では、芸術と社会の結びつきやその役割について、また、芸術に携わる仕事について、国内外の様々な事例を紹介しながらみなさんと共に芸術/アートの世界の豊かさについて考えたいと思います。

『憎しみの連鎖を解き、テロや紛争のない世界を創る ~国際NGOで働くという選択~』
NPO法人アクセプト・インターナショナル 海外事業局 松下 真菜先生

私たちは、世界で起きているテロや紛争の解決を目指し、ソマリアやイエメンを始めとする紛争地で活動する国際NGOです。武器を手にしてテロや紛争に関わってしまった若者が、暴力に頼ることなく、平和を担う存在として社会で生き直すことができるよう支援を行なっています。平和の実現に向けた具体的な活動の紹介に加えて、日本発のNGOとして、上記のアプローチをもって紛争解決という難題に向き合う理由やその根底にある考え方についてもお伝えします。併せて、国際協力に携わる自身のキャリア選択についてもお話しいたします。

『アキレスと亀のパラドックス〜今を生きることを数学者と考える』 
ICU国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科准教授 松村 朝雄先生

みなさんにとって数学ってどうですか?数学は苦手、自分は数学ができない、って大変多くの人が思っているようです。これは実は特別なことではなくて、「数学的不安(Math_Anxiety)」という心理学の専門用語があるくらい、世界共通の一般的な問題です。今日は、いつもと違う数学を味わってみましょう。ギリシャ時代の「アキレスと亀」というパラドクスから、昔の数学者のように悩み、今の自分を振り返って、瞬間とは何か、今を生きるとはどういうことかを数学者と一緒に考えます。ICUのリベラルアーツにはこういうエキサイティングな数学の世界があるようだと、本講義で感じていただけたら幸いです。

『昆虫の多様性に魅了され、微生物の不可視の力に気づき、共生進化生物学のフロンティアを疾走する』 産業技術総合研究所首席研究員 東京大学大学院教授 筑波大学大学院教授 深津 武馬先生

ほとんどの生物が恒常的に微生物を体内に保有しています。このような現象を「内部共生」といい、高度な相互作用や依存関係から新規生物機能が創出します。共生微生物と宿主生物が一体化して、あたかも1つの生物のようになることも珍しくありません。生物はひとりで生きているわけではないのです。 本講演では私がどのような経緯で共生進化生物学の最先端を走る研究者になったのか、幼い頃から小、中、高、大学時代のエピソードを追体験してもらいながら、昆虫類の適応進化と内部共生の関わりについて、その多様性、おもしろさ、相互作用の本質、進化的な意義、応用利用への展開の可能性などについてわかりやすく紹介します。

『人工知能は数学者を超えられるか』
名古屋大学准教授 丸山 善宏先生

現代の人工知能は知の生産のあり方を大きく変容させつつあり,第二のルネサンスとも言うべき人類史上の特異点に近接しています。従来,人工知能に研究レベルの数学はできないと考えられてきましたが,現在の人工知能はその限界を突破しつつあります。将来の歴史教科書は2025年や2026年を新たなルネサンスの始まりの年として記載することになるかもしれません。本講座では,特に数学に焦点を当てながら,最新の人工知能の発展を概観し,人工知能・機械学習の基本原理について学びます。そして,人工知能とともに大きく変容していくと予想されている今後の社会のあり方について,皆さんとともに考え議論したいと思います。

『動物の心臓外科の世界 〜止めた心臓はなぜ再び動き出す〜』
オリーブ動物医療センター 取締役 Y&T VET 代表 三村 貴大先生

私は獣医師です。まずはこの資格を持っているとどんな仕事ができるのかについて一般的なお話もします。その中で小動物臨床獣医師というのは専門的な手術から、行動異常(吠えたり、噛みついたり)の相談までたくさんのことを日々の仕事とします。今年は心臓外科の手術動画を増やしよりわかりやすくお話します。心臓を完全に止めて行うこの手術。なぜ心臓は一度止まっても動くのか。実際の映像をみながら解説します。多くの困難を抱えても究極の外科に挑む理由とは。命と向き合うとはどういうことなのか。生きてく上で大切なことを心臓が教えてくれます。眠くならない講義にしようと思います。ぜひお会いしましょう。

『防災数学 考える力を手放さず,災いを防ぎ,未来をひらく。』 
明治大学理工学部数学科 専任教授 矢崎 成俊先生

数学を学ぶと,自然と数学的な考え方を身につけることになります。数学的な考え方とは,普遍的,論理的,客観的な考え方で,数学以外の事象にも適用できます。タイトルの防災の「災」は災いという意味です。地震,台風などの天災のみならず,病気,怪我,事故などの災い,それほど深刻ではない災いなど,対象は自分自身で決めます。例えば,3つのチョコレートを2人で分けるには? 900Wの電子レンジで500W3分の弁当を温めるには? 交通渋滞を解消するには? などもプチ災いです。このように「広い意味での災い」に対して,「考える力を手放さず,災いを防ぎ,未来をひらく」数学を『防災数学』と呼びました。講演者の造語です。防災とは想像力です。想像には直観,先入観も混ざります。数学はそういったバイアスを補正してくれる直観の補正装置といえるでしょう。講演では学校で学ぶ数学に防災という光を当てて,大きな問題に立ち向かう試みをお話します。

『地域研究者という仕事』
日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 副センター長 吉岡 明子先生

中東で何か大きな事件が起こると、私たちはにわかに忙しくなります。どこで何が起こったのか?なぜ起こったのか?その背景は?そんな疑問に答えるためには、何も起こっていない時の地道な研究が欠かせません。中東という特定の地域を専門とする研究所で、私たちがどうやって日々情報を集め、どのようにその情報の真偽を確かめ、分析しているのか、そのためにどんなスキルが必要なのか、地域研究者という仕事について、そしてその面白さについて、皆さんにご紹介したいと思います。

『人類は再び月へ! ~月、その先の宇宙へ~』
元JAXA宇宙教育推進室長 佐賀県立宇宙科学館館長 渡辺 勝巳先生

第二次世界大戦後の米・ソの冷戦を背景に両国の月を目指した宇宙開発競争により、1969年、アメリカはアポロ11号で月面着陸を成功させ、激しかった宇宙開発競争は終結しました。宇宙開発は競争から協調へ、国威発揚から実利用へと進み、現在宇宙ステーション計画が進行しています。そして2020代、国際協力による「アルテミス計画」で再び月を目指しています。この計画では日本人宇宙飛行士が月面に降り立つことも計画されています。これまでの宇宙開発の流れ、そして命を懸けてミッションに挑む宇宙飛行士の姿について考えてみましょう。

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