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教科
科目
学年・組
授業時間
担当者
地歴・公民
世界史A
高Ⅰ年5組
週2時間
佐藤一樹

到達目標


 必修科目としての「世界史」の興味を喚起し,学問的興味の裾野を広げるとともに,歴史的背景を通じて,哲学や思想を理解し,思考力を高めていく。医進サイエンスコースにおける授業として単なる世界史の知識的理解にとどまらず,文化史における先哲の思想的理解を深く行うことを通じて,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を育て,他者と共に生きる主体としての自己を確立する。

授業の進め方・学習方法


 前者では,特定の時代・地域における歴史の概略を説明するので,細かな知識にとらわれず,歴史の大きな理解をできるようにしてください。後者では,宗教や哲学に関する人物や概念などにスポットを当てて,深めていきます。単に知識の暗記に終わらせず,そのような思想が出てきた背景,その概念そのもの,そしてその影響が理解できるように取り組んでください。
 授業では講義が多くなると思いますが,積極的にメモを取るようにしましょう。発問も多く行いますので,主体的に授業に参加してください。歴史と思想・哲学の間には密接な相互関係があります。双方向から特定の地域を考えることで、より深い思考力を養っていきましょう。

授業スケジュール


学期
学習内容
1学期
1)古代ヨーロッパ史と思想
①オリエント史と一神教思想
 1-古代オリエント史
 2-ゾロアスター教成立からユダヤ教の成立まで
 3-キリスト教とイスラーム教の成立
1学期中間試験
1学期
②古代ギリシア・ローマ史とギリシア・ローマ思想
 1-古代ギリシア・ローマ史
 2-ミュトスと哲学(神話から始まる思考)
 3-ピュシスと哲学(万物の根源の追求)
 4-ノモスと哲学(理想的政治の追求)
 5-ヘレニズム以降のギリシア・ローマ哲学
1学期末試験


学期
学習内容
2学期
2)西欧近世史と思想的大変革
①西欧近世とヨーロッパ世界の拡大
 1-西欧近世史(14世紀~17世紀頃)
 2-ルネサンスとヒューマニズム
 3-宗教改革
 4-科学革命
 5-経験論・合理論の対立と相互発展

②近代市民革命と自由で平等な社会の実現
 1-近代市民革命
 2-人格の尊厳と自由-カント
 3-人倫と自由の実現-ヘーゲル
2学期中間試験
2学期
3)西欧近現代史
①産業革命と人間
 1-西欧近代史と産業革命(18・19世紀頃)
 2-資本主義と功利主義
 3-社会主義の思想
 4-実存主義の思想
 5-プラグマティズムの思想
2学期末試験


学期
学習内容
3学期
4)西洋近現代史
②現代の思想と人間像
 1-2つの世界大戦
 2-冷戦期の世界
 3-心の深層と無意識
 4-実存主義と構造主義
 5-現代のヒューマニズム(人道主義)
 6-正義と偏見 (新しい正義の形)
学年末試験

成績評価方法


種別
割合(%)
評価基準など
定期試験
60
定期試験のみならず,授業内で実施する小テスト,あるいはワークシートなどの日々の学習の成果を確認できる要素を総合的に判断する。また提出物の提出状況や取り組み状況も平常点の一部として加味する。
レポート
0~40
小テストなど
0~40
授業での取り組み状況
0~40

教科書・教材/参考書/参考サイト


教科書・教材
書名
出版社
教科書番号/code
備考
世界史A 新訂版
実教出版
ニューステージ世界史詳覧
浜島書店

参考書
書名
著者
出版社
コード
備考
最新図説 倫理
浜島書店
世界史用語集
山川出版社
倫理用語集
山川出版社

担当者からのアドバイス


 これからの社会特に国際社会の最前線で活躍していくためには、論理的な思考力に加えて、高い教養と上質なモラルが求められていきます。古代ギリシアでは学問の分化は起きておらず、あらゆる学問の淵源として市民は「哲学」を学んでいました。そうした学問の成り立ちを十分に理解している欧米の研究者やビジネスマンは、理系・文系そして専門性の違いに関わらず「歴史」や「哲学」に深い造形を持つ方が多く、それが彼らの高い教養と社会的責任から来る守るべきモラルの形成にもつながっています。またその見識が、人物評や人間性の評価に影響することも多々あります。あくまでも授業は入口に過ぎませんが、是非とも歴史と思想を多面的に捉え考える本授業を導入にして、高い教養を身につけるキッカケにして行きましょう。