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2020年度シラバストップ > 高Ⅱ年4組 > 理科 > 物理基礎

教科
科目
学年・組
授業時間
担当者
理科
物理基礎
高Ⅱ年4組
週4時間
必修選択
佐々木 史夫

到達目標


<大きな目標>
・身の回りの物理現象について、その知識の習得や定性的な分析だけでなく、その根本となる自然法則や諸原理を理解し、物事を定量的に分析する姿勢と能力を身につける。
・物理現象を、その側面だけでなく、広く体系的にとらえて関連性を理解しようとする姿勢を身につけ、化学、生物、あるいは地学分野などの分野を問わない広い領域での応用力を備える。

<今年度の目標>
・自然法則や諸原理だけでなく、そこで扱われる各物理量の概念まで理解し、正確な単位の表記ができること。
・問題演習に於いては、設問の背景や与えられた条件を把握し、その着眼点や解答に至るまでの経過を意識する。また、その考え方や計算を他者に分かるように記述できること。
・講義と演習を繰り返す中で、理解を深める学習のリズムを自分で確立すること。


物理は、闇雲に問題をたくさん解いて、解答を丸暗記しても、「その場しのぎ」になるだけで本当の力は身につきません。逆に、きちんと学習すれば効率的に自身を成長させて安定した成績が見込めますし、他教科の力も同時に養うことができます。

授業の進め方・学習方法


【進め方】
(1学期開始時)
 新型コロナウィルス感染拡大を受けて、当面はWEBによる授業を実施します。
 教科書や問題集が手許に届くまでは、WEBを通じて教材・課題等を提供します。詳細は、初回のWEB授業によるガイダンスの指示に従ってください。
 
(通常授業復帰後)
 授業は、板書やプリントを主に使用し、必要であれば映像資料や演示実験を適宜取り入れます。
配布資料や教科書・ノートという最低限基本的なものを必ず準備した上で授業に出席することが求められます。
 定期試験では,授業内で解説した内容はもちろん,それに対応する問題集内の問題についても出題範囲とします.これは以下の各試験でも同様です。

【学習方法】
 自然現象の原理を追及し、その本質を見極める探究心を持って臨めるかどうかが、理科の実力がつくかどうかのカギと考えます。本科では、入試問題に直結する多くの演習問題を題材にしながら理解を深めていきます。
 問題に当たれば当たるほど、わからないことが出てくるのが当然であり、その解決を早急に他者が作成した模範解答に求めるのではなく、どうアプローチするのか?なぜそのアプローチをすべきなのか?と常に意識しましょう。そこで初めて、配布資料や教科書・ノートで学習した基本事項が活きると考えます。余力があれば、どんどん問題演習に進みましょう。
 その他、授業内で議論したさまざまな内容を,自分自身で再現し、総括する練習を積みましょう。

授業スケジュール


学期
学習内容
1学期
第1編 力と運動 (教科書「総合物理」上巻)

 第1章 運動の表し方
  1.速度
  2.加速度
  3.落体の運動(水平投射・斜方投射含む)

 第2章 運動の法則
  1.力とそのはたらき
  2.力のつりあいとその運動
  3.運動の法則


<定期試験について>
 基本的な運動の解析方法の枠組みや実用方法に関して、習熟度を測ります。
 単に公式の形や代入計算の結果ではなく、どの程度まで概念を理解して、どの程度詳しく丁寧に自身で議論できるようになっているかを重要視します.
1学期中間試験
1学期
第1編 力と運動(教科書「総合物理」上巻)

 第2章 運動の法則
  4.摩擦を受ける運動
  5.液体や気体から受ける力
  6.剛体にかかる力のつり合い

 第3章 仕事と力学的エネルギー
  1.仕事
  2.運動エネルギー
  3.位置エネルギー
  4.力学的エネルギーの保存


<定期試験について>
 1学期中間試験の内容を含め、1学期の授業を通じて学んだすべての内容とそれに関連する事項を出題範囲とします.
 ある一つの現象の、ある瞬間について運動方程式を立てて表現できるだけでなく、総合的にエネルギーや仕事という抽象的な概念を用いても理解できること、そして、新しく定義された物理量の意味やそこから導かれる結論をきちんと理解しましょう。
1学期末試験


学期
学習内容
2学期
第1編 力と運動(教科書「総合物理」上巻)

 第4章 運動量の保存
  1.運動量と力積
  2.運動量保存則
  3.反発係数

 第5章 円運動と万有引力
  1.等速円運動
  2.慣性力
  3.単振動
  4.万有引力


<定期試験について>
 2学期の初めから中間試験前最後の授業の間に取り扱った内容とそれに関連する事項を出題範囲とします。
第5章の内容は,自分で公式を導出する練習をつみ,自由に扱えるようになりましょう.また,熱の定義を正確に把握し,エネルギーの移動形態の違いを通じて理解することが重要です.
2学期中間試験
2学期
第2編 熱と気体(教科書「総合物理」上巻)

 第1章 熱と物質
  1.熱と熱量
  2.熱と物質の状態
  3.熱と仕事

 第2章 気体のエネルギーと状態変化
  1.気体の法則
  2.気体分子の運動
  3.気体の状態変化
  4.不可逆変化と熱機関


<定期試験について>
 2学期中間試験の内容を含む、2学期の授業を通じて学んだすべての内容とそれに関連する事項を出題範囲とします。中間試験範囲については、対応部分の記述を参照してください.

 第2章では代表的な4つの過程を学びますが、それぞれの過程の定義はなにか、その定義のもとで熱力学第1法則がどのように書き下されるか、などに留意しましょう。
 熱力学については、ポイントとして挙げた内容がとても重要です。マクロな系というある意味ではブラックボックス的なものを扱うためには、理論(考え方の枠組み)を把握することが再優先事項であり、この点についての習熟度を問います。その上で、具体的な熱機関の取扱いについても親しみを覚えられるようにしておきましょう.
2学期末試験


学期
学習内容
3学期
第3編 波(教科書「総合物理」下巻)

 第1章 波の性質
  1.波と媒質の運動
  2.波の伝わり方

 第2章 音
  1.音の性質
  2.発音体の振動と共振・共鳴
  3.音のドップラー効果

<定期試験について>
 学年末試験では,1,2,3学期で学んだすべての内容が出題範囲となります.1,2学期からの出題については,対応部分の記述を参考にしてください.

 第1章では、波の一般的な性質と、それを理解するための波の基本量について学びます。ここでは特に、波の一般式を単に使いこなせるだけでなく、その導出過程を理解して自身で導き出せるようになることを重要視します。
 第2章では、前章で学んだ事項の具体的な例として、音に関係する諸現象について理解を深めます。ここで登場する諸公式を、丸暗記ではなく、必然性に基づいて導出できるかどうか等の習熟度が試されます.
学年末試験

成績評価方法


種別
割合(%)
評価基準など
定期試験
80
平常点は主に以下の項目のうち実施されたものの取り組み状況,あるいは成績で評価する。

・授業態度を代表とする学習への姿勢
・演習ノート(問題集による演習)などの充実度
・演習プリント(添削用)などの充実度
レポート
0~20
小テストなど
0~20
授業での取り組み状況
0~20

教科書・教材/参考書/参考サイト


教科書・教材
書名
出版社
教科書番号/code
備考
物理基礎
数研出版
物基/307
総合物理 1・2
数研出版
物基/306
改訂版 リードα物理基礎・物理
数研出版

担当者からのアドバイス


「力の示し方」や「運動の表し方」など素朴なところからスタートしますが、その先には今我々が住んでいる地球、果ては宇宙の森羅万象につながる大事な学習内容です。化学や生物分野でも、専門的になればなるほど物理学が関わってくるのです。このような理由から、まずは1学期の授業にきちんとついていくことが重要です。

また、演習時にまず必要なのは「正解」そのものではなく、そこに至るまでの「過程」や「発想」です。そのために必要な記述を面倒くさがってはいけませんし、記述内容を語弊なく読み手に伝えるためには、物理量や単位の表記についてのルールを守らなければなりません。

さいごに、定期試験や模試の成績は、まずは「演習量」がものを言います。しかし、皆さんが目指している難関大入試を突破するためには、普段の授業や演習内容をさらに掘り下げて,「作問の意図を見抜く力」、「ものごとを深く考え、その本質を見抜く力」が必要です。