キャリア教育

 

2017年3月18日(土)「スーパーアカデミア 最先端と最前線の超一級講座」は広尾学園が行ってきたキャリア教育の総決算となります。


この日は日本全国から、21世紀の最先端を究めようとする科学者、最前線で活躍するジャーナリストなど、日本の現在と未来を支える方々が広尾学園に結集します。


この17講座が、生徒たちの学問への憧憬の念を育て、文化や科学技術の高みをはるかに見上げる良い機会となることを願っています。


『昆虫を分類する ~新種発見から命名まで~』
日本学術振興会特別研究員 東京大学大学院総合文化研究科 山迫淳介先生

昆虫は、世界の動物のおよそ70%を占めると言われ、これまでに100万種以上が知られています。これらの既知の種にはそれぞれ学名がついており、階層的に分類されています。しかし、いまなお未発見の種はその数倍から数十倍もいると推定されており、毎年多くの新種が発見されています。このように膨大な数の昆虫類をどうやって認識し分類するのか、新種はどうやって発見されるのかをフィールドワークの話を交えながら紹介します。

『体内時計と健康』 国立研究開発法人産業技術総合研究所 バイトメディカル研究部門 生物時計研究グループ
東京大学大学院 大石 勝隆先生

私たちのからだの中には、地球の自転周期とほぼ等しい約24時間周期のリズムを刻む時計が備わっています。夜になると眠くなり、朝になると自然に目が覚めるのも、この体内時計の仕組みによるものです。最近になって、体内時計が、睡眠障害やうつ病などの精神疾患、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病の発症に関係していることが明らかになってきました。体内時計の仕組みを上手に利用することで、学校の成績や身体機能を向上させることも可能です。本講座では、体内時計に関する身近な話題を紹介します。

『素数の面白い性質 』 学習院大学名誉教授 飯高 茂先生

1 素数バンクにアカウントを開きみんなで素数を預けて素数を増やす
2 ゴールドバッハ予想をみんなで確かめ新しい予想を作ります

『グローバル経営コンサルティング企業でのデータサイエンティスト、デジタルアーキテクトの役割』
KPMGコンサルティング株式会社 林 泰弘先生

Googleやアマゾンをはじめとする企業が、データ分析を武器として新たなサービス、製品を生み出しています。一方、人工知能の活用により消えゆく仕事、残り続ける仕事について議論が沸き起こっています。人工知能、ロボティクスが、ビジネスを大きく変えようとする中、グローバルに活動するコンサルタントの視点から、データサイエンティスト、デジタルアーキテクトの役割をご紹介します。

『大型プロジェクションマッピング模型で東京の地形と地質を見てみよう!』
国立研究開発法人産業技術総合研究所 芝原 暁彦先生

広尾学園の周辺をはじめとする、東京の各地にはさまざまな凹凸地形が隠れています。これらの複雑な地形は、過去十数万年間にわたる海進・海退などの環境変動と密接に関連していると考えられています。東京の歴史と地形、そして私たちの生活との関わりについて、最新の3D大型模型とプロジェクションマッピングによって楽しみながら学んでみましょう。

『中国古代文明の起源 ~小さな中国の物語~』 学習院大学 文学部史学科 鶴間 和幸先生

中国古代文明は黄河と長江の下流域の広大な大平原で生まれた。都市が生まれ、都市の間の交流のなかで数多くの文明の遺産を生み出してきた。その結果始皇帝の時代に大きな古代帝国が誕生したが、大きな中国のなかで消えてしまった小さな国々の歴史をたどっていきたい。夏殷周はもともと小さな都市国家であり、孔子の生きた春秋時代には孔子は小さな国々を放浪した。小さな国々の生命力のなかに文明の智恵の源があった。

『比較法学入門 ――グローバル社会の法学入門――』 明治大学法学部 佐々木 秀智先生

わが国の法制度は、諸外国の法制度を参考にしながら作られています。また外国の会社などが日本で営業するためには、日本の法制度を調査する必要があります。しかし、英和和英辞書を使って法律の条文をただ翻訳すればよいということはなく、その国の文化・国民意識なども調査する必要があります。  比較法学とは、法制度を基礎づけている社会的背景などを研究する学問です。この授業では、日本の立法などで比較法学がどのように用いられてきたかについてふれていきます。

『シェアリングエコノミーと旅行ビジネス 他人とシェアできるもの/できないもの』
共栄大学国際経営学部国際経営学科 観光ビジネスコース 石川 美澄先生

ヒト・モノ・カネ・情報の流動性や移動性が高まる社会のなかで、私たちは簡単に世界の人々と交流できるようになりました。現在、日本を訪れる外国人旅行者は2,000万人を超え、それと連動するかのように「人とシェアする」新しいビジネスが誕生しています。本授業では、シェアリングエコノミーというキーワードを基に旅行ビジネスの最前線をご紹介します。また、授業後半では「あなたが他人とシェアできるもの/できないものは何か?」についても考えます。

『“夢”への挑戦  ~月を目指したドラマとその後~』 
一般財団法人日本宇宙フォーラム 広報調査事業部  渡辺 勝巳先生

第二次世界大戦後の米・ソの冷戦を背景として展開された激しい宇宙開発競争。その結果、ついに人類は月に 到達しました。これは人類の歴史の中で最も古い夢の実現です。その後の宇宙開発は、競争から協調・協力へと 進み、国際宇宙ステーションにより宇宙に長期滞在し宇宙環境を積極的に利用する活動に至っています。 人類は今から約50年前、人類史上最大、そして最も永く持ち続けた“夢”に向かって挑戦し、それを成し遂げたのです。『夢は持つだけでなく、“実現”するためにある』……人類の“夢”への挑戦を辿ります。

『科学環境部記者の仕事』 毎日新聞社 科学環境部 久野 華代先生

地球温暖化、ロケット発射、新しい元素の発見――新聞やテレビ、インターネットのニュースは、私たち記者が取材して原稿を書いています。自分が「おもしろいな」と思った科学のニュースを、友達や家族にも知ってもらって、その話題について話をしたいと思うことはありませんか。ニュースは記者のそんな気持ちを出発点にできています。ニュースのできるまでをお話します。

『意味の不完全性:数学を哲学で疑い続けると何が起きるのか』
京都大学白眉センター 文学研究科 丸山 善宏先生

なぜ世界には学問があるのか。人と宇宙を理解し未来を創るためである。しかるに我々は人と宇宙について何を本当に理解していると言えるのか。自分のことさえ分からないのに人間一般や広大な宇宙について理解できるのだろうか、という疑念が生じても不思議ではない。コロコロと言うことを変えてきた経験科学は言うまでもなく、数学のような確実性の権化でさえ本当に永遠の真理をあらわしていると言えるのか。本講座では、我が国の学校教育では教えられることのない、哲学の危険な真理を明らかにする。

『錯視の脳科学』
総合研究大学院大学 生命科学研究科・生理科学専攻教授 順天堂大学医学部客員教授 柿木 隆介先生

新しい検査方法が次々に開発され、人間の脳の活動(機能)がかなり詳細に分かるようになってきました。しかし、まだまだ謎に満ちているのが錯視の世界です。そのものを実際に見ているのに、脳が勝手に勘違いしてしまいます。大小や長短の錯視、色の錯視、動きを感じてしまう錯視、などについて御紹介します。また、上下逆転メガネや左右反転メガネを使った実習も計画しています。 頭の中では理解しているのに、どうしても自分の思うように動けない不思議さを実際に体験してみてください。

『AIがもたらす未来』  ITジャーナリスト 林 信行先生

昨今、AI(人工知能)が目まぐるしい進歩を見せている。昨年は碁の世界チャンピオンだけでなく、写真に写っている内容の把握でも人工知能が人間の認識率を上回った。今、これまで人間が行なっていた多くの仕事が人工知能によって置き換えられつつある。人工知能の歴史や仕組みの簡単な解説から、現代実際に活用されている人工知能サービス、さらには自動運転を含む未来の活用、そして人工知能全盛時代に向けて今、考えること学ぶべきことがテーマ。

『有人潜水調査船「しんかい6500」とそこで見た 深海の世界』
国立研究開発法人 海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 海洋工学センター 小倉 訓先生

有人潜水調査船「しんかい2000」「しんかい6500」の運用に関わり、数十年、パイロトッとして見てきた深海について海底映像等を交えてお話するとともに、その機械技術、運用技術についての苦労話などを通じて、海洋調査の先端技術についてお話しする。

『6年後の浜辺 -津波と復旧事業は生態系をどう変えたか-』自然写真家 永幡 嘉之先生

東日本大震災の津波によって、海岸の生きものは消えたのではなく、以前にもまして繁栄していた。砂浜には花が咲き続き、浜辺に特有の虫たちが飛び回り、ワシやタカも雛を育てていた。しかし、堤防や森をつくる復旧事業によって、それらはわずか3年で隅々まで姿を消し、後にはコンクリートや造成地で覆われた海岸が残った。海岸を連日歩き、動植物の調査を続けるなかで、「復興」とは何を目指すべきなのか、私たちが大切にすべき「豊かさ」とは何なのかを考え続けていた。

『臨床獣医師の現場最前線トーーク!動物の命とは?獣医って何者?楽しく学びたい人おいでやす』
オリーブ動物病院 三村 貴大先生

獣医師と聞いてどんなイメージを持ちますか?実は様々な分野で活躍する獣医師。キャリア官僚(国家1種合格者)の仕事なども紹介します。その中でも小動物(犬・猫・フェレット・ウサギ)臨床獣医師とはどんな仕事なのか。日々どんな問題に直面し何を感じているのか、医師との明確な違い、収入はどれくらい?テレビなどでは言えないアンビリーバボーな話や「アウトな獣医師」を紹介し、さらに専門的な手術の動画などをまじえ現場から鮮度抜群でお伝えします。”夜更かし気味でも眠くならない講義”を目指し、皆さんと一緒に楽しく「動物の命」、「獣医に向いてる人向いてない人」などを考えてみましょう。

『自由は死んだか?いや、まだだろう  ~哲学による文理横断思考のすすめ~』
金沢医科大学 一般教育機構 本田 康二郎先生

大学受験を前にして、生徒の皆さんは文系と理系という枠組みの中に分けられていっていませんか。数学が得意だから理系へ。逆に苦手だから文系へ。そんな考え方が、戦後の日本の中等教育では常識になってきたように思います。でも、それが日本社会に大問題をもたらしたかもしれないのです。本来、学問は一つです。文系も理系も同じ根っこを持っていました。今回は、フクシマの問題を題材にして、理系も文系を考え、文系も理系を考えることの重要性をとらえてみましょう。分野をまたぐための横断的な思考力を持つために、哲学はとても役に立ちますよ。

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